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飴山瑛

​調合士:


雫が落ちて

波紋がたわむ

めだかの白い腹が

てらてらとひかる


生きてゆきたいと願う

あなたに触れた掌は

ずたずたに裂け

求め合う引力に

惹かれる血液


背にひきつる音

鈍くきらめく被毛が

啄まれている

引き絞られた弦

空を割る鏃

細胞はぱしんと弾け

もはや光もない


意思は抽出される

僅かな傷から

音のない匂いがする

銀の匙に掬われた

眠りは黒く染まり

灯りは一斉に落とされ

暁の訪れることはない


希う

目的は収束する

そこに救いがあるにしろ

もはや誰も

知ることは出来ない


どこにも行けないから

小瓶をぐっと呷る

皮膚は遠ざかり

紫の靄が視界をつつみ

鼓動は孤独を手に入れる


すこしさみしくて

風の音ばかりざわめく

聞き届けられることなく

ことば一つ


無垢の床

一枚板の机

壁に白い棚

止まった部屋に

訪れるものはない

その鍵を

捻るものはいない

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処方箋

痛みというものは相互に響き合うものです。あまりに濃度の高い、あなたは、時に、何を傷つけますか?

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・無断転載禁止

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​クレジット表記

作品名:扉
作者名:飴山瑛
連絡先(Twitter)等
Twitter:@Ameyama_trpg

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