猛毒の反毒薬
調合士:
dabdab
システム:
マギカロギア
対象年齢:
全年齢
処方箋
人間を死に至らす猛毒と、猛毒を浴びた死体から取れる万能薬を巡るシナリオです。
○プレイヤー人数 推奨階梯 リミット 使うルルブ(基本以外 黄昏など)
PL人数:3
サイクル:3(シーン数9)
推奨:第三階梯初期作成
レギュレーション:基本、黄昏選書
○はじめに
このシナリオは第三階梯の初期作成で遊ぶことを想定しています。エネミーのデータは弱めに作っています。
遊ぶ上で物足りない、または強すぎると判断した場合は適宜エネミーデータを調整してください。
また、改変は自由にしていただいて構いません。シナリオに記述していない事が起きた場合は各GMの裁定で進めてください。
○PCハンドアウト
どのPCも共通となります。シナリオアンカーは「村のおばば」か「村のおじじ」のどちらかになります(希望者がいる場合は長老をシナリオアンカーにしても構いません)。
○舞台
シナリオの舞台は、「紅雲市」という架空のオリジナル都市の郊外です。紅雲市人口は70万人ほどで都市部は中堅都市らしくほどほどに開発されており、郊外は自然が多く酪農なども盛んです(岡山県をそのまま都市のスケールまで縮小したイメージです)
この都市には強力な書籍卿の隠れ家があり、六分儀市ほどではありませんが魔法災厄や失踪事件が多く起きています。
シナリオ上では紅雲市の「毒島町」という地域で調査を行うようになります。毒島町は昔はそこそこ栄えていましたが、落石事故などで道路が封鎖され交通の便が極端に悪くなり現在は高齢者が2,30名ほど住んでいる地域となっています。
○背景
毒島町では昔から立ち入ると呪い死ぬと言われる聖域がありました。その聖域は実は書籍卿「ソフィア・ミーズリー」が禁書の実験を兼ねてこの地を拠点にしていたのです。
生贄にされた人間は魔法災厄が撒く毒によって溶けるように死んでしまいますが、実験によって生きた人間を生贄にあらゆる病を治す万能薬を安定して取れるようになりました。
その万能薬を求め書籍卿「生に生きる者」が「ソフィア・ミーズリー」に生贄を連れて来ることを条件に万能薬の採取を許可され、禁書の力を使用しました。
この禁書は「ソフィア・ミーズリー」が管理しており、〈大法典〉に勘付かれないよう不要なときは禁書を封じて魔法災厄が起きないようにしてあります。
今回、「生に生きる者」が禁書を稼働させたことで〈大法典〉が〈禁書〉の存在に気づき本編へと繋がります。
○導入フェイズ
PCたちが集合すると以下のことを説明します。
・「紅雲市」の「毒島町」という地域で禁書〈侵食する猛毒の良薬〉による魔法災厄が発生したこと。
・「毒島町」には聖域と呼ばれる地域があり、聖域に立ち入った人間は何かの毒を浴びたように溶けて死んでしまうこと
・聖域で溶けて死んだ人間からはあらゆる病を治す万能薬が取れること
・聖域と禁書〈侵食する猛毒の良薬〉には何かしら関係がありそうなこと
・「毒島町」は昔はそこそこ栄えていたが、落石事故などで道路が封鎖され交通の便が極端に悪くなり現在は高齢者が2,30名ほど住んでいる地域となっていること
・〈書籍卿〉が絡んでいる可能性があること
その後、現地に向かわせたのち、メインフェイズを開始してください。
○メインフェイズ
以下にメインフェイズにおける注意点や特殊な処理、挿入されるマスターシーンを記述します。
●長老が怪しい?
断章〈侵食〉を回収したあとに発生します。断章を回収したあと、村のおばばが実は村の外から拉致されてきたことを聞きます。
村にずっといる長老はこのことを知っていたはずではないかと長老に対しての疑念が生まれます。
HO「長老」を公開します。
○クライマックスフェイズ
騒動の解決の為、禁書の編纂儀式を行います。禁書〈侵食する猛毒の良薬〉と集団戦を行ってください。
○結末
●クライマックスフェイズで敗北した場合
禁書を抑えることができず、やむを得ず撤退します。村ではこれからも生贄を材料に万能薬を作り続けるでしょう。
撤退で精いっぱいでNPCたちを村の外へ逃がすことは難しいでしょう。
●クライマックスフェイズで勝利した場合
禁書を回収したことで、黒幕である長老は魔法戦で負けていなければこの地を捨ててどこかへ行ってしまいます。村は魔法災厄から解放されることでしょう。
その後NPCたちをどうするかは分科会次第です。
○NPC
もしGMがNPCのRPに困ったときは、以下を参考にしてください。
●長老
毒島町の長老。中身は書籍卿「ソフィア・ミーズリー」であるが、正体がばれるまでは長老として分科会に接することを徹底する。わざと腰を曲げ、聞こえているのに耳が遠い振りを頻繁にして、ただのおじいちゃんであるように印象づけようとする。
願いを聞いても願いを返すことはない。
●村のおばば
毒島町に住む老婦人。「生に生きる者」によって誘拐され記憶を操作されている。元の家族には捜索願いが出されている。
願いは記憶を取り戻したあとにのみ「元の街へ帰りたい」という願いを返してきます。
固有の名前が必要な場合は好きに決めて構いません。
●村のおじじ
毒島町に住む老紳士。本当の妻は既に他界しているが、記憶操作によって「村のおばば」を妻と認識している。
願いは「村のおばば」のことを知らない間は「平穏に二人で過ごしたい」、本当のことを知ったあとは「村のおばばを元の生活に返してやって欲しい」となります。
固有の名前が必要な場合は好きに決めて構いません。
●旅行者の青年
毒島町に調査にやってきた青年。その正体は書籍卿「生に生きる者」であるが、正体がばれるまでは好青年を演じている。
愚者の弟がおり、弟が不治の病に侵されているため禁書から得られる万能薬を求めてソフィア・ミーズリーと交渉し、生贄となる人物を連れて来ることと引き換えに禁書を使用することを許可されている。
どうせなら老い先短い老人を生贄にしようと「村のおばば」を拉致し、「村のおじじ」共々記憶を操作している。
基本的にはニコニコしており、感情を荒げることはないが自身の行いを非難された場合は怒りの感情を出す。
願いは「弟の病を治すこと」です。
●ソフィア・ミーズリー
「アリストテレス」と同年代の生まれの〈理想郷〉所属の〈書籍卿〉。曰く、〈理想郷〉には所属してやってる。〈理想郷〉が謳う不死に釣られてくる〈愚者〉を実験体として使う為だけに所属しているので学派の理念や考え方などは知らぬ存ぜぬ。
見た目は20代の女性。自身が〈愚者〉だった頃は不老不死に憧れていたが、実際に不老不死を手にした今は死ぬべき時に死ねることこそが理想と思っており、現世は地獄だと考えている。しかし、本人は地獄が大好きなので割と人生を謳歌しているようだ。
また自己評価が高く実際多才ではあるのだが、それ故に格下に舐めた態度を取られるのを極端に嫌っており初対面で舐めた態度を取った〈書籍卿〉を100年かけて徹底的に服従させたり、〈理想郷〉の理念に反する行動を咎める者を虐殺したりしている。
逆にお世辞でも褒めたり肯定的なことを言うと機嫌がよくなる気分屋。PCに煽られた場合は最初のうちは聞き逃してくれるが度が過ぎるとそのPCを殺しに行くかもしれない。
また、彼女は基本的に傍観が基本スタイル。彼女の願い事は特にありませんが、願いを聞かれた場合はそのPCに対して無茶ぶりを行います。
+ハンドアウト
導入後に公開されるハンドアウトは「村のおばば」、「村のおじじ」、「聖域」です。
「長老」のハンドアウトは断章〈侵食〉を回収したときに公開されます。
「旅行者の青年」のハンドアウトは「村のおじじ」の調査後に公開されます。
また、断章〈猛毒〉を回収するまでは「旅行者の青年」の調査はできません。
※エネミーデータについて
〈断章〉の魔力は禁書魔法所持分を引いていない数値です。また、無限の魔素持ちのキャラクターのコストXのXの最大値は【根源力】の半分(端数切上げ)として作成しています。
●村のおばば
【概要】
大法典一行を暖かく迎えてくれた老婦人。村のおじじとは夫婦。
【秘密】
実は村の外から拉致されてきた。記憶を操作され村のおじじと夫婦であることにされている。
断章〈侵食〉に憑依されている。
断章〈侵食〉
初期深度:2
功3 防2 根3 魔力6
領域:力
特技:《自由》
魔法:【解放《自由》】基本107p、【防呪】基本129p
●村のおじじ
【概要】
大法典一行を暖かく迎えてくれた老紳士。村のおばばとは夫婦。
【秘密】
実は数年前に事故で妻を失っている。記憶を操作され村のおばばと夫婦であることにされている。
記憶が操作されていることに気づくと、彼は民泊している青年について教えてくれる。
HO「旅行者の青年」を公開する。
●旅行者の青年
【概要】
村の外から来訪してきた青年。村のおじじおばばの家に民泊している。
村には聖域の言い伝えの調査に来ているようで、現在は聖域にいるようだ。
【秘密】
その正体は理想郷の書籍卿、〈生を生きる者〉である。彼は〈愚者〉である自身の弟を治す為に生贄を用意することと引き換えに禁書〈侵食する猛毒の良薬〉によってもたらされる万能薬を採取する許可をもらっている。
捕らえて来た「村のおばば」を生贄にする為、〈断章〉を憑依されている。また、聖域が【封土】と化すと魔法災厄の制御ができなくなるため、定期的に〈断章〉を入れ替えているようだ。
現在は断章〈良薬〉を所持している。魔法戦に勝利すれば戦果として〈断章〉を獲得することができる。
旅行者の青年/生に生きる者
功3 防3 根3 魔力7
領域:獣
特技:《混沌》、《祈り》、《深淵》
魂の特技:《煩悩》
魔法:【緊急召喚】基本97p、【騎士召喚《混沌》】基本97p、【成長】基本100p、【正誤表《祈り》】基本120p、【動揺】基本102p、【消去】基本121p
真の姿:堕天使(精神集中)
断章〈良薬〉
初期深度:0
功4 防4 根4 魔力6
領域:力
特技:《自由》
魔法:【魔剣召喚《自由》】基本97p、【煉獄】基本165p
※GM向け情報
断章は所持しているだけで、断章の持つ【蔵書】や【特技】は使用しない
●長老
【概要】
毒島町の長老。腰の曲がったよろよろのおじいちゃん。耳が遠いのか、そこそこの頻度で言った内容を聞き返してくる。
まだまだ若いもんには負けない90代らしい。
【秘密】
その正体は理想郷の書籍卿、ソフィア・ミーズリー。たまたま起きた落石事故によって陸の孤島となってしまった毒島町を自身の実験の地に選んだ。
自らが作った禁書〈侵食する猛毒の良薬〉の魔法災厄の検証をする為、90歳の長老の変装をしながら魔法災厄のデータを取っていた。
魔法災厄によって得られる万能薬を「」に要求されたので、実験の為の生贄を確保することと交換で了承した。
この【秘密】の公開後、「聖域」の結界を解除してくれる。
また、このHOは猟鬼の特記事項の対象外とする。
※GM向け情報
このエネミーには勝利する必要はありません。その為、【秘密】公開時はデータを公開しない方がよいでしょう。
PLたちがこのエネミーとの戦闘を望む場合はデータを公開して構いません。
ソフィア・ミーズリー
功6 防6 根7 魔力13 魂の特技:改造
領域:夢
特技:《太陽》、《時》、《嘘》、《幻》、《希望》
魔法:【緊急召喚】基本97p、【分身召喚】基本99p、【悪夢召喚《希望》】基本97p、【王国召喚《時》】基本98p、【送別《別れ》】基本108p、【浄化《太陽》】基本120p、【呪怨《不幸》】基本111p、【反乱《裏切り》】黄昏150p、【禁呪】基本130p、【捕食《時》】基本161p
真の姿:理想の”永遠”(防御強化)
アンカー:禁呪(蒐集)
希望の悪夢(重荷20、【キャスト】【追加ダメージ1】付与)
時の王国(重荷35、【プラス2】【ブロック+1】付与)
偶然の騎士(重荷10、【キャスト】付与)
トントンの騎士(従霊2、混沌の騎士、涙を修得)
●聖域
【概要】
毒島町で聖域と呼ばれる山奥。立ち入り禁止とされているが、法的には特に問題ない。
古来より中に立ち入ると神の怒りに触れ、全身が腐り死に至ると言い伝えられている。
何者かに結界が貼られているので、現時点では調査できない。
【秘密】
神の怒りとされていた現象は禁書《》の魔法災厄によるものである。魔法災厄により、人間を腐敗させる病原体をまき散らす。
人間が腐食する現象は病原体によるものなので、運命介入は不可能である。
断章〈猛毒〉が憑依しており、この断章が憑依している間は魔法災厄が発生し続ける。
※【封土】としては扱わない
断章〈猛毒〉
初期深度:1
功2 防3 根3 魔力6
領域:闇
特技:《深淵》、《迷い》
魔法:【奈落門《深淵》】基本124p、【破呪《迷い》】基本111p
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●禁書データ
侵食する猛毒の良薬
功4 防4 根4 魔力18
領域:闇
特技:《深淵》、《迷い》、《癒し》、《自由》
魔法:断章ごとにブロック分けして記載
【解放《自由》】基本107p
【防呪】基本129p
【奈落門《深淵》】基本124p
【破呪《迷い》】基本111p
【魔剣召喚《癒し》】基本97p
【煉獄】基本165p
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利用規約・Download(ある場合のみ)
・シナリオの改変(可)
可能。ただしトラブル回避の為、参加者に改変していることを伝えることが好ましい
・動画、配信での利用(可)
可能。
・営利目的の利用(可)可能。
・クレジットの記載(要)
作者名は載せてもらえるとありがたいです
・その他注意事項
シナリオに疑問点あれば連絡くだされば答えます
クレジット表記
作品名:猛毒の反毒薬
作者名:dabdab
連絡先(Twitter)等@dabdab_trpg